スレを立てるまでに至らない愚痴・悩み・相談part116
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601: 名無しさん@おーぷん 19/08/20(火)16:56:03 ID:vU.ar.L1
以前勤めていた会社の元同僚だったアイさん(仮名)の話を書きます。
長いです。

アイさんは、当時20代半ばの女性で、
恋愛運にきくという噂のパワースポットの写真をケータイの待受けにしていたり、
休憩時間にはタロットカードを混ぜて切って一枚だけ引いて
「何々のカードが出た!」と初歩的なカンタンな占いをして遊んだりと、
ちょっとスピリチュアル好きお呪い好きな、普通の若い女性でした。

ある時から、アイさんは、急激に、わずか2ヶ月くらいの間に、
たちまち20キロほども、猛烈に激太りし、見た目が激変し出しました。

また、アイさんは、急激に怒りっぽくなり、
いきなり激怒のスイッチが入るようにもなりました。
突然猛烈に激怒し始め、そうすると、たまたまその場に居合わせた人に対して、
めちゃくちゃに口汚く怒鳴る怒鳴る怒鳴る、
その相手が、来社していた大事な取引先のお客様であろうとも。

あるいはまた、職場の人々が、オフィス内の戸棚や机の引出しを明け閉めして、
書類や事務用品などを出し入れしていると、
「泥棒だ!泥棒だ!!棚や引き出しを漁っている!!」と、
激しく泥棒呼ばわりして、責め立て暴れるようにもなりました。

アイさんが「アタシの文房具が見当たらない!きっと同僚の誰々さんが盗んだに違いない!!」
と、騒ぎ立てることもありました。
しかし、アイさんがドロボーの犯人だと主張するその「誰々さん」は、
その日は主張中で、社屋に来てすらいない。
当然、社内の物など盗めるはずがない状態。

アイさんに「誰々さんは今日主張中で、会社内にはいないでしょ。」と言っても、
「ウオオッ、誰々さんがいないのが怪しいっ!!
きっと誰々さんが犯人だから逃げ隠れしているに違いないーっ!!
誰々さんを出せえええーっ!!誰々さんを謝りに来させろおおおーっ!!」と、
アイさんは暴れ狂ってしまうのです。

上司は「なんとか同僚みんなでアイさんを抑えてあげてよ」
「同じ職場の仲間だろ、誰かが少し不安定な時があっても、
皆で協力してフォローしてあげてよ」という方針の意向だったので、
アイさんが怒鳴りつけてしまった取引先に、社内の他の者が代わりに一生懸命謝罪しに行ったり、
アイさんの起こす騒動を、オフィス内の皆でひた隠しにしていました。

分けます。

602: 名無しさん@おーぷん 19/08/20(火)16:58:54 ID:vU.ar.L1
続きです。

アイさんの異常行動は、収まることはなく、
その後もどんどん激しさを増すようになります。

アイさんは、百均などで買ってきた小さなミニ鉢植えの植物を、
いくつもいくつも、オフィス内の棚や物陰に置くようになりました。
「鉢植えの植物は、負のオーラを吸い取り部屋を浄化してくれるのおー!」と言いながら。

しかし、アイさんは、植物のミニ鉢植えをあちこちの物陰に置くだけ置いて、
世話は何もしないので、
ほどなく、社内は、そこここに、
枯れ腐ったミニ鉢植えの植物の残骸がごろごろ転がるようになりました。
他の同僚が見かねてこっそり鉢植えに水をやったり、
日なたに鉢植えを当ててあげたりもしたのですが、アイさんが
「アタシの鉢植えを勝手に動かした!!」とまた発狂して怒鳴り暴れてしまうので、
なかなか手出しできませんでした。

また、アイさんは、パワーストーンビーズを「大」の字型に並べて繋いで、
それを、テルテル坊主のように上から吊るした、
つまり「首吊り人型」のパワーストーンストラップを、何個も何個も作り、
その首吊り型ストラップを、ゲーセンで取ってきたぬいぐるみにたくさん結びつけてぶら下げた物を、
やはりアイさんのデスク周りの社内に、何個も飾るようになりました。

アイさんは、「人型ストラップをたくさん付けたぬいぐるみが、
負のオーラを吸い取り浄化するのおー!」と、やっぱり主張していましたが、
社内の他の人々は、首吊り型ストラップを結び付けられまくったぬいぐるみを
「ひとりかくれんぼ」のぬいぐるみみたいで怖いよね…とか、
ヨーロッパの歴史資料で有名な「首吊り死体をたくさん吊るした刑場」
みたいで気持ち悪い…と、不気味がっていましたが、

https://i.imgur.com/lnoIU3X.jpg

やはり文句を言えばまたアイさんが暴れてしまうので、と、
やむを得ず放置するしかない状態でした。

また分けます。

603: 名無しさん@おーぷん 19/08/20(火)16:59:54 ID:vU.ar.L1
続きです。

アイさんの奇行は、さらに、ますますとどまるところを知らなくなります。

アイさんは、「アタシはイタコの力を持っているのだ!!」と、
出張するようになり始めました。
イタコの末裔であるアイさんのイタコの霊力で、
そのへんの悪霊や呪いの祟りをアイさんの身に吸い込んで取り込み、
浄化するのだ!と、出張するようになったのです。

2chの有名な怖い話の「祟られ屋マサさん」のような感じでしょうか。

しかし、アイさんは、べつにイタコの地方の東北とは縁もゆかりもなく、
生まれ育ちは関東地方で、また、ご両親は片方が東南アジアご出身で、
イタコとはどうみても関係がない出自でした。

アイさんは、「イタコの末裔アイさん」という看板を引っ提げて、祟られ屋の仕事を請け負うようになりました。
他の人々からの、邪気や祟り、水子霊などを引き取って欲しいという相談を引き受け、
アイさんの身に、そうした悪霊や祟り、霊障などを、移して宿らせるのだそうです。

アイさんは、実際に、何人かのお客さんたちから、料金も受け取り、
祟られ屋の仕事をしていたそうです。
アイさんがいつも「こんな大変な祟りを引き移す祈祷を頼まれた、
依頼人に憑いていた強力な悪霊をアイさんの身に移して引き受けたので、
本当にしんどい」などと、声高に自ら話して吹聴していたので、
同僚の人々にも、それが知れました。

アイさんは、もともとイタコでも何でもない、少しお呪い好きな普通の女性だったと、
会社内の人々は皆知っているわけですから、
「えっ大丈夫なの、インチキで訴えられたりしない?」と心配したり、
「本物のイタコじゃないのに、悪霊を引き受けてアイさんに移すとか、
もし本当に悪霊がいるなら、アイさんが危なくなりそうだよね?」と、首をかしげたりしていました。

分けます。

604: 名無しさん@おーぷん 19/08/20(火)17:01:29 ID:vU.ar.L1
続きです。

結局、真相が判明する日が来ました。

アイさんが、急に倒れて、救急車で運ばれたのです。

病院に運ばれた結果判明したことは、
アイさんは、実は、脳腫瘍を発病している患者だったのです。

急激な短期間の激太りは、アイさんの脳の中のホルモン分泌や、
体内のいろいろな成分をコントロールする働きを担う部分が、
破壊されていたためだったそうです。

すぐに他の人を「泥棒だ!!泥棒だ!!」と決めつけて騒ぐ症状も、
「物盗られ妄想」といって、
脳腫瘍や、脳出血、事故で脳に大ケガや、認知症、若年性アルツハイマーなどの
脳にダメージある病気の患者によく現れる、
代表的な病状のひとつなのだそうです。

当時は、皆そうした知識がなく、
アイさん自身も20代半ばの年齢でしたため、
脳の病気という発想は出ませんでした。

単純に、アイさんが、もともと猛烈に怒りっぽい、暴れやすい性格の女性なのかと皆思っていて、
必死にアイさんの起こす騒動をやり過ごすことに、同僚一同意識が向いていました。

分けます。

605: 名無しさん@おーぷん 19/08/20(火)17:02:39 ID:vU.ar.L1
分割ラストです。

アイさんの異常行動の真相が判明したことにより、
当時の勤め先のその職場内は、もうガッタガタに崩壊しました。

アイさんの引き起こす騒動を必死にかばい、
アイさんが怒鳴りつけた顧客や取引先などに何度も謝りに出向いた人たちは、
かばった行動が何も良い成果を生まない骨折り損の徒労どころか、
かばえばかばうほど、アイさんの脳腫瘍の発見を遅らせ、
病状を悪化させるだけの行為だったことに、衝撃を受け、消沈しました。

もちろん、真相判明までの間に「もうアイさんをかばえない。付き合い切れない」と、
会社から離れて行ってしまった人たちも、大勢出ました。

アイさんの巻き添えというか、アイさんによって精神を病んだ人たちも、多くいました。
オフィス内の机の上のマグカップなどをガチャン!と鳴らしてしまったり、
ファイルなどをドサッ!と取り落として音を出してしまった人のところに、血相を変えて駆け寄って、
「音を立てないでええっ!アイさんがまた暴れちゃうからああーっ!!」と、
泣きそうな顔で叱責するようになった人が、何人も出ました。

自分ももう、アイさんが同僚だった会社をやめて離れていますが、

今でも、アイさんに、どう対処していれば、もっと病気の早期発見や、
被害の拡大の防止ができたのかなあと、思うことがあります。