するとその子猫は言葉の意味が分かったわけじゃないだろうけどその友人に近付いて行った
友人はその時着てたそこそこ高価なコートを躊躇なく脱いでその子猫を包み込んで
「悪い、これからこの子を獣医さんとこに連れて行くから！」
と言ってそのまま獣医さんのところに行った（せっかくなので私もついていった）
そのままその子猫は友人が飼うことになった
元々友人宅では猫を飼ってたんだけど数年前に老衰で亡くなっていて
今でも家族みんなペットロス気味だったらしくて子猫との出会いは運命だと思ったそうだった
その子猫は今ではボロボロだった毛並みはすっかり綺麗でフワフワになり
体も肉付きが良くなって元気いっぱい
人懐っこくて私が遊びにいくとゴロゴロ言いながらくっついてくれる

そこまでは単に猫好きの友人が子猫を拾ったってだけの話なんだけど、
その後その友人がその時のコートを着てるところをみなくなったんで
「あの時のコートどうしたの？もしかして猫のお布団になったとか？」
と聞いたら
「汚いからあのあとすぐに捨てたよ。洗ってない野良猫ってばっちいんだもん。
もう使えないよ。家にノミが来るかもしれないし」
と言われて唖然としてしまった
そんなばっちい野良猫をあんた拾って飼ってるじゃん、と思ったけど
「野良猫が衛生的に汚いことと、その猫への愛情は別の話。
もし恋人が泥だらけになったら
その恋人がどれだけ好きでもそのまま抱き着きたくはないでしょ。
無理にでもお風呂に入れて綺麗になるまで洗うでしょ。それと同じ」
とのことだった
動物好きな人って動物の不衛生な部分もそのまま受け入れるのかと思ってたけど、
そこらへんきっちり線引きしてる人もいるんだな

例えば家族が外でドブにはまって泥だらけになってたらとっとと風呂入らせて
その人が着ていた服と、泥が付いてる物については衛生面考えたら大方捨てる判断するよね

それを知らない人にできるかっていったらできないけど、猫だから友人はできたというところだろう
友人家族全員が、猫の習性も性質をもリスクも飼い方も知ってるってことは大きかったかもね