私は勇気を振り絞って「キャー！痴漢ですっ！！」と叫び、とっさに後ろにいた
小太りのさえない男（今でいうAKBオタクみたいな）の手を捕まえた
男は必死に違います！と否定していたが、たまたま近くに乗っていた友人A子の
「コイツが触ってました！」という証言もあり、
男は次の駅で周りの乗客に降ろされてそのまま駅員に引き渡された

後日、男が痴漢容疑で逮捕され会社もクビになった事を警官の方から教えて貰った

しかし高校の卒業式前日になって、A子から「大事な話がある」と呼び出された
何かと思って話を聞くと、実は痴漢というか
私のお尻を触ったのは自分だったの…と言うでは無いか！
A子によると、当時私を好きだったB男の事をA子が好きで、
でも私は別に付き合ってた彼氏がいたから相手にしていなかったのだが
B男は諦めきれずに若干ストーカー気味にアプローチを繰り返してきていた
自分の気持ちには気付いてくれないし
振り向いてもくれないのに何故○○（私です）だけ！？
と嫉妬に駆られ、思わず傘を盗んだり（別の誰かに盗られたのかと思ってた）
財布からお金を１０００円だけ抜き取ったり
（これも気が付かなかった、当時も今も１０００円ぐらいなくなった程度じゃ気づかないｗ）
などのイタズラをしていたそうだ

で、電車での痴漢もそのイタズラの一つで
怖がらせてやりたいだけのつもりだったようだが
予想外に私が騒いだのと、犯人（らしき）男を捕まえてしまった為、
怖くなったA子は思わず私に調子を合わせてしまったそうだ

泣きながら語るA子に思わず私ももらい泣き、
腹の中を語り合った私とA子は今でも付き合いがある親友の一人だ

そんな事もあったねと忘れかけていた頃、
夫が経営している飲食店の新規店舗のオープニングスタッフを
面接で募集する事になった、
私も一応経営者の一人として面接を担当する事になったのだが…

書類をめくっている内に、ふと見覚えのある顔と名前…
記憶を必死で辿ってみて思い出した、
そう、私が痴漢として突き出してしまった男だった

履歴書の経歴欄を見る限りは、男の正社員歴は私に痴漢した、
とされた時が最後になっており
以後は派遣やバイトらしき職場を転々としているようだった

そのまま書類を通せば、いくら当時バリバリのギャルだった私と、
苗字も変わりそれなりに品の良い格好をする様になった私とでは
気付かないだろうとは思ったが、万が一、というのも有り得る
結局私は経歴の粗を突くような形で男を書類選考の段階で落としたのだった…

この広い世の中、新規開店の店舗だけでなく、
バイトや派遣の募集なんていくらでもある
何故よりにもよって、私が関わっている店の面接に
因縁のある男が募集してきてしまったのか
過去の亡霊に追いかけられた様で怖くなって思わず書き込んでしまいました…

＞腹の中を語り合った私とA子は今でも付き合いがある親友の一人
何が腹の中だよ、この腹グロが

こんなふうに悪が勝つってことはけっこうあるからやり切れない